なかはられいこ・岐阜県岐阜市/「川柳展望」所属
なかはられいこ 選
佳作 |
兵に水筒 フロッピー・ディスクに蝉 | 中山恵子 | 愛知県 |
佳作 |
蝉ないてうすべに色の朝の兵 | 岩崎眞里子 | 青森県 |
佳作 |
軍服を着ると四角い肩になる | 小田原千秋 | 青森県 |
佳作 |
頭蓋骨骨折青い兵士です | 鳴海賢治 | 青森県 |
佳作 |
兵は生き延びて公孫樹になった | 佐藤幸子 | 東京都 |
佳作 |
一銭五厘が突然僕でないボクに | 岩淵黙人 | 青森県 |
佳作 |
怪獣と戦う兵はアルバイト | 山田侃太 | 和歌山県 |
佳作 |
敬礼は砂漠の時差にずれながら | 野村辰秋 | 埼玉県 |
佳作 |
兵包むために国旗は大判に | 畠山軍子 | 岩手県 |
佳作 |
落下傘すずなりなれば明日も晴れ | 市川 周 | 東京都 |
佳作 |
頷くと皆兵隊にされちまう | 相田みちる | 山形県 |
佳作 |
兵の墓さくらは逡巡しつつ散る | 進藤一車 | 北海道 |
佳作 |
風を吸い流れを呑んで兵になる | 岩崎雪洲 | 青森県 |
佳作 |
台所の隅に置いてる核兵器 | たなかまきこ | 青森県 |
佳作 |
丘を描くって言ったじゃないの兵じゃなく | ひとり静 | 奈良県 |
佳作 |
環境に優しい芋で出来た兵 | 丸山 進 | 愛知県 |
佳作 |
戦争に行った人には聞けぬこと | 斎藤早苗 | 青森県 |
佳作 |
胃の中で息を殺していたゲリラ | 佐々木ええ一 | 香川県 |
佳作 |
沖に菜の花 きみも敗残兵なのだ | 葉 閑女 | 青森県 |
佳作 |
縁側で爪を飛ばしている兵士 | 草地豊子 | 岡山県 |
佳作 |
軍服の僕には遠い桃の村 | 沢田百合子 | 青森県 |
佳作 |
空欄に歪んで飛んで来た兵士 | 柳 圭 | 愛知県 |
佳作 |
ほらみんな匍匐前進しています | 濱山哲也 | 青森県 |
佳作 |
狙撃兵の指にさくらが降っている | 中西 亜 | 愛媛県 |
佳作 |
兵役があった時代のいぼがえる | 滋野さち | 青森県 |
佳作 |
引き出しに親衛隊を隠し持つ | 三浦ひとは | 青森県 |
佳作 |
本当の兵はやさしい水たまり | 吉平一岳 | 長野県 |
佳作 |
稲光わたしのなかの兵が起つ | 悠とし子 | 北海道 |
佳作 |
ごくたまに兵士と判る人がいる | 南野耕平 | 埼玉県 |
佳作 |
兵隊の絵に顔はあっただろうか | 原田否可立 | 愛媛県 |
佳作 |
内緒だが僕にも欲しい核兵器 | 福士てつお | 青森県 |
佳作 |
罌粟畑ここから兵士生まれます | ひとり静 | 奈良県 |
佳作 |
兵が見ている兵の滑り方 | 天谷由紀子 | 福井県 |
佳作 |
欲しいのは埴輪の兵の耳飾り | 内田真理子 | 京都府 |
佳作 |
兵士にも黄色い花は咲いたかな | 前田かつ子 | 福井県 |
佳作 |
機嫌よく立っているのは藁の兵 | 久場征子 | 富山県 |
佳作 |
爪楊枝たとえば兵になりなさい | 草地豊子 | 岡山県 |
佳作 |
迷彩服ところどころにある疑問 | たなかまきこ | 青森県 |
佳作 |
復員兵戦闘帽からハトを出す | 墨崎洋介 | 福井県 |
佳作 |
真後ろの伏兵が肩揉んでくる | 高橋 樟 | 青森県 |
佳作 |
めし茶碗わたしの中の兵が死ぬ | 普川素床 | 千葉県 |
佳作 |
青きもの青きままなり兵の墓 | 熊谷岳朗 | 岩手県 |
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秀逸 |
縁側で爪を飛ばしている兵士 | 草地豊子 | 岡山県 |
秀逸 |
八月の兵隊さんをよく洗う | 佐々木ええ一 | 香川県 |
秀逸 |
巣つばめと徴兵制の話など | 宮本夢実 | 長野県 |
秀逸 |
エプロンをすると兵士になるわたし | 守田啓子 | 青森県 |
秀逸 |
マッチ棒の先にいるのが兵隊さん | 前田まえてる | 青森県 |
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人位 |
兵隊が降ってきそうな曇天だ | 相田みちる | 山形県 |
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地位 |
号令で兵はおのおの葉桜に | 中西 亜 | 愛媛県 |
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天位 |
切花のように佇んでいる兵士 | 山本忠次郎 | 東京都 |